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TOP > スポーツ障害・外傷 > 肩・上腕 > 胸郭出口症候群 / 肩甲上神経障害

スポーツ障害・外傷 胸郭出口症候群

【肩・上腕】

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肩甲上神経障害

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リトルリーグ肩

心臓と肺を囲んでいる骨格(胸椎・肋骨・胸骨)を胸郭といいます。心臓からの血管が胸郭のなかから腕のほうへ出ていくところ、すなわち鎖骨の上のくぼみ、鎖骨と肋骨の間のすきまを胸郭出口(きょうかくでぐち)と呼んでいます。ここは比較的狭い通路でしかも血液(鎖骨下動静脈)ばかりでなく、脊髄から出た神経の束(腕神経叢:わんしんけいそう)も一緒に、この狭いすきまを通って腕へのびています。

このため、胸郭出口を狭める異常がおこると狭い通路はいっそう窮屈になり、太い神経血管束が圧迫され、腕、手、首、肩の疼痛やしびれがいろいろおこってきます。小指や薬指の知覚障害が起こることもあります。腕を常に上にあげるような姿勢をとる人や、投球動作を繰り返す投手などに見られます。

このような症状が見られる場合は血流をよくするために肩周辺を温めたり、ストレッチをするようにしましょう。それでも痛みが変わらない場合は圧迫を起こしている筋肉に対しての筋弛緩剤注入や手術的処置を行うこともあります。筋力の低下によっても症状が出ることが考えられますので、肩周辺の筋肉をしっかり強化することも大切です。
 

肩甲上神経障害

肩甲上神経は肩甲棘(けんこうきょく:肩後部の"デッパリ"部分)の間を走行しているため、肩甲骨の動きによって絞扼(こうやく)性神経障害(圧迫による神経障害)を受けやすくなっています。野球の投球やバレーボールのスパイク、テニスのサーブなど上肢のオーバーヘッドの動作を強いられる種目で多発する傾向が見られます。

この障害は肩の後部の筋肉が萎縮することでよりはっきりとわかりますが、それ以外にも肩の疲労感、脱力感、ドアが開けにくかったなどの自覚症状としてあらわれることもあります。この場合は電気生理学的検査により神経性のものかどうかを判断する必要があります。

筋萎縮が軽度のものの場合はオーバーヘッドの動作をしばらく中止し、萎縮した筋肉(主に後部ローテーターカフ;棘上筋、棘下筋)を強化していくようにします。同時に肩周辺筋力のバランス強化を行います。重度のもの(痛みがひどく、長期にわたっている場合)に関しては神経を圧迫しているもの(特にガングリオンなどの脂肪塊)を取り除く処置が必要となります。
 

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