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スポーツ障害・外傷 SLAP損傷

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SLAP損傷

リトルリーグ肩

SLAP損傷のSLAP=Superior Labrum Anterior and Posterior(前後における上方関節唇損傷)のことで、肩の上方に痛みを伴います。特に選手は「肩の奥のほうが痛い」と訴えることが多く、投球動作を繰り返すことで起こりやすいとされています。

SLAPには大きく分けて4タイプあるといわれています。ただし、この分類は形態的な分類であり、発生メカニズムを考慮したものではないため、投球障害により引き起こされるSLAP損傷の分類という位置づけではないと考えられています。
 
TypeT) 上方関節唇辺縁のすり切れのみ
TypeU) 上方関節唇と上腕二頭筋長頭が関節唇から剥離し、二頭筋腱付着部が不安定となったもの
TypeV) 上方関節唇がバケツ柄状に損傷し、関節内に転位しているもの。関節唇と二頭筋腱付着部辺縁は残っている。
TypeW) バケツ柄状の損傷が二頭筋腱にまで及ぶもの

上腕二頭筋長頭に牽引(けんいん)ストレスがかかり、負荷が増大することで慢性的な痛みとなって現れます。痛みが続く場合は投球を休んでRICE処置を行い、様子をみます。しばらく休んでも痛みが変わらない場合はそれぞれのタイプに応じた手術を行うこともあります。

発生メカニズムについてはいろんな意見があり、明確に解明されていないのが現状です。さまざまな説の中に後方のタイトネス(拘縮:こうしゅく)が原因となって上腕骨頭を後上方に押し上げ、その結果上腕の過外旋、上方関節唇の二頭筋による引き込まれが原因となってSLAPを引き起こすという説があります。
  

リトルリーグ肩(上腕骨近位骨端線離開)

リトルリーグ肩は筋力発達の十分でない少年期の選手(9〜15歳程度)が繰り返し投球動作を続けることによって起こる障害です。成長期の選手は骨がまだ十分な硬さをもっておらず、力学的に弱い骨端線(こったんせん)部に反復するねじれや牽引力が作用して生じる一種の疲労骨折であるという説が有力です。

投球時には肩の痛みや脱力感がみられます。このような症状がみられるときは病院でレントゲン検査を受けるようにします。しかし、軽い骨端線損傷はレントゲンで見逃されることがあるため、受診時には医師に投球動作を繰り返していることを説明し、できれば左右の肩のレントゲンを撮ってもらうようにするとよいでしょう。

症状がひどい場合は三角巾固定などで患部の安静を保ちます。軽度の場合は痛みの原因となる投球動作を一時期中断し、様子をみるようにします。

この時期の選手にたずさわる指導者は、投球前に十分なストレッチングやウォーミングアップを指導し、肩肘に負担のかかる投球フォームで投げていないかをチェックする必要があります。また練習量が多いと障害をおこしやすいので、選手にとって過度の練習量になっていないかを注意します。練習後はRICE処置を行うように指導しましょう。

青少年の野球障害に対する提言
 

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