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低血糖症候群

「低血糖」とは、運動などにより筋肉で血糖を多く消費してしまい、血糖濃度が正常よりもかなり下回った状態です。脱力感、手指のふるえ、冷汗、動悸などが症状としてあり、ひどい場合には意識が無くなる事があります。運動量が多すぎるとき、または空腹時に激しい運動を行ったときなどに起こします。
「低血糖」を引き起こす原因には糖質が大きく関係しています。糖質は体内の血糖やグリコーゲン(エネルギー源)の大きな材料になるため「スタミナ」との関係が深いのです。グリコーゲンは主に筋肉と肝臓に蓄積されており、運動時のエネルギー源となって消費されます。特に持久力を有する運動、強度の高い運動を実施した場合、筋肉に貯蔵されているグリコーゲンは1時間ほどで枯渇してしまいます。このため、スタミナ維持や回復に糖質は重要なのです。

特に注意すべき事は、運動直前に血糖と血中インスリン濃度が高い状態で運動を開始すると、運動中の血糖濃度が急激に低下して、「低血糖」を引き起こしやすいことです。暑い中、日常的に飲用している清涼飲料水ですが、これに含まれる糖分は砂糖・果糖ぶどう糖液糖・ブドウ糖などの糖質で、500ml中に約50gも含まれるものもあり、血中インスリンを急激に増加させます。
こういった飲料を飲んで、その後運動することは、「低血糖」を起こしやすくする行為と考えられます。運動開始30分〜1時間前に取る飲料中の糖質には十分に注意する必要があります。
間違った摂取の仕方で、スタミナに逆効果を及ぼすこともあり、十分気をつけなければなりません。
低血糖を防ぐためにも、清涼飲料水やスポーツドリンクの糖質には主に果糖(フラクトース)を使ったものがおすすめです。
果糖(フラクトース)は血糖値をほとんど上昇させないため、運動前・運動中の飲料の糖質に最適です。

なお、オリンピックでは、運動誘発性喘息予防のために、本来ならドーピング違反になる薬剤の使用が認められています。使用には事前の申請が必要となります。

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