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スポーツ生理学 20分運動の誤解
スポーツ生理学は難しい?

食べ物がエネルギーになるまで

おにぎりとお茶

水と油

20分運動の誤解

脂肪分解を高めるカフェイン

筋肉痛の原因は?

苦しさは後からやってくる

エネルギー消費量の求め方

糖質はエネルギー源として使われやすく、脂肪はなかなか使いづらいところから、ある程度運動を継続しないと脂肪はエネルギー源として利用されない(体内で燃焼しない)と認識されているところがあり、その目安としてよく「20分以上続けて運動をしましょう」と言われます。

確かに運動のはじめは糖質が使われやすく、運動を続けることで脂肪をエネルギー源として利用しやすくなっていくのですが、20分までのエネルギー源は糖質、それ以降は脂肪というふうに分けられているのではありません。運動はじめの段階でも脂肪は使われますし、20分以上の運動でも糖質は使われます。エネルギー源の利用は時間だけではなく運動強度によることが大きいのです。


「乳酸を活かしたスポーツトレーニング」より一部改変

糖質と脂肪の利用量から考えてみると、20分という数字にこだわる必要はあまりなく、10分の運動でも脂肪がエネルギー源として使われていると考えられます。20分という数字ばかりが強調されるのは糖質だけでなく脂肪の分解が高まって活発に利用されるのにある程度の時間がかかる、ということからいわれるようになったと思われます。

少しずつ細切れに運動を続けることでも脂肪はエネルギー源として利用されているのです。シェイプアップのために体内の脂肪をしっかり使いたい、というときはトータルのエネルギー消費量を高めることを考えるようにします。
 

脂肪分解を高めるカフェイン

糖質と脂肪をエネルギー源として使うのに、運動強度を考慮すると脂肪の減量に効果的であるということですが、脂肪分解を高める効果が期待されているのがカフェインです。

カフェインを摂取してしばらくした後に運動を行うと、運動中の脂肪の利用が少し高くなり、糖質の利用が少し抑えられます。カフェインは脂肪分解作用のほかに覚醒作用があり、こちらのほうが日常生活の適度な刺激として用いられています。オリンピックなどの国際大会において、カフェインは禁止薬物ではありませんが、監視対象の薬物に指定されています。その主たる理由としては興奮剤として使用されることがあるからです。

また唐辛子などに含まれているカプサイシンもカフェインと同様に脂肪分解作用を高めることが知られています。ただしカフェインやカプサイシンを摂取して脂肪分解を高めても、分解された脂肪(脂肪酸)を何らかの形で利用しなければ、また脂肪に戻ってしまいます。

摂取しただけでは脂肪はエネルギーとして利用されません。運動をしながらエネルギー消費量をあげていくことではじめてこれら脂肪分解作用の恩恵を受けることが可能になります。もちろん運動前のコーヒーなどに砂糖を入れてしまっては、その効果はさがってしまうことをお忘れなく。
 

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