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スポーツ生理学 筋肉痛の原因は?
スポーツ生理学は難しい?

食べ物がエネルギーになるまで

おにぎりとお茶

水と油

20分運動の誤解

脂肪分解を高めるカフェイン

筋肉痛の原因は?

苦しさは後からやってくる

エネルギー消費量の求め方

激しい運動やトレーニングを行った後には筋肉痛が起こります。この筋肉痛の主たる原因が乳酸だと思われていることも多いようですが、実際のところは乳酸だけが筋肉痛の原因とはいえないようです。

乳酸だと思われている理由としては運動によって筋肉内に乳酸が蓄積され、酸が多くたまることによって筋の内部が酸性になり、それが筋肉の損傷をもたらすと考えることが出来ます。しかし実際は運動によって筋が細かなダメージを受け、それを修復する過程で痛みが出ると考えられています。

また筋肉は引き伸ばされながら力を発揮するときによりダメージが大きいといわれています。これをエキセントリック収縮といいます。山登りでは上りよりも下り、懸垂では体を引き上げるときよりも体を元の位置に戻すときなどがエキセントリック収縮です。このような動作を繰り返すことで筋肉痛は起こると考えられています。

また肩こりに代表されるような痛みもまた筋肉痛といわれますが、この場合は筋肉が硬くなってしまい、血液循環が悪くなってしまうため痛みが起こるといわれています。運動をしていない状態では、乳酸がある一定の部位にたまってしまうということはないようです。
 

苦しさは遅れてやってくる

激しい運動を行ったときに、運動中よりも運動後のほうが息が荒く、苦しい思いをしたことがあると思います。特に短距離走などの短い時間で瞬時に力を発揮する場合によくみられます。

運動をすると筋肉が酸素を使って糖や脂肪などをエネルギーに変換し、最終的には二酸化炭素と水が作られます。二酸化炭素の運搬は血液中を流れて行われるため、血液中の二酸化炭素の濃度が上昇し、その刺激によって呼吸が増加します。

二酸化炭素は血液から肺に運ばれて、呼吸によって外に出るのですが、この時にはすでに短距離走は走り終えていることが多く、ここでタイムラグが生まれることによって、走り終わった後に呼吸が苦しくなってしまうのです。

このような状況は走って休んでを繰り返すサッカーのような球技にもよくみられます。バスケットやアイスホッケーなどではダッシュの時間が多く、ジョギングのシーンはあまりみられませんが、その分フィールド外で休む光景がみられると思います。

後からくる苦しさと筋肉の疲労とはまた別物であることを把握しておく必要があるでしょう。
 

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