「うずのしゅげ通信」

 2018年3月号
【近つ飛鳥博物館、河南町、太子町百景】
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2018.3.1
追悼石牟礼道子

石牟礼道子さんが2月10日に亡くなられました。
石牟礼道子という名をはじめて聞いたのは「苦海浄土」が賞をもらった時でした。 さっそく「火食鳥」の読書会で取り上げたのですが、そのときの衝撃は今でも覚えています。 それ以来ずっと付かず離れずの感じて、要所要所の作品は読んできたように思います。 しかし、今それらの本が手元にないので、あらためて追悼の文章を書くことができません。 それで、もうかなり以前になりますが、石牟礼道子さんの歌のわかれについて書いた文章をここに引用して追悼に かえさせていただきます。この文章は、石牟礼道子さんをテーマにした本にも引用されたことがあり、 いまでもそんなに古びていないように思います。 興味がおありの方はご一読ください。

石牟礼道子歌集『海と空のあいだに』
−短歌から「苦海浄土」へ−


2018.3.1
フェイスブック

〈2月20日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

 (雨水 五句)
花のはざかひ一臓なくてけふ雨水

供華に挿す折れ水仙も雨水かな

一臓なくて三つ賜る蕗の薹

蕗味噌のにほひ二人の家に満つ

彫り深きタイヤの無体春の泥

(石牟礼道子「祈るべき天と思えど天の病む」)
天はやはり病んでいますか蕗の薹

昨日は雨水でした。庭を探してみると蕗の薹が三つ見つかりました。夜てんぷらにしていただきました。 (蕗味噌の句は以前に作ったときのことを思い出して。)
一句目、「はざかひ」は端境期のこと、わが家の庭、椿も紅梅もまだ蕾で、まさに花の端境期。
六句目、石牟礼道子さんが2月10日に亡くなられました。
ということで、今日は雨水の句。

色めでて草餅を買ふ雨水かな  藤岡筑邨

室生寺の草餅のおいしかったことを思い出して。」


〈2月26日にフェイスブックに投稿したものです。〉

「今日の拙句です。

歳時記の小口鶯餅の粉

猫柳男(お)の子も含み笑ひして

  (養護学校の理科の授業で)
人体模型の組み立てパズルミモザ咲く

 (金子兜太氏に「大頭の黒蟻西行の野糞」(河内弘川寺)の句)
大頭の観音おぼろ兜太逝く

 (「苦海浄土」の石牟礼道子氏逝く)
道子に秘めし歌のわかれや冴返る

「苦海浄土」に取り掛かる前の石牟礼道子さんは歌人でした。短歌研究の新人賞に入選もされています。そんな彼女の周りで発生したのが原因不明の「奇病」。それが後日水俣病と呼ばれるようになるのですが、その厳しい現実に向き合い始めた時、彼女にはたしかに歌のわかれがあったのではないでしょうか。
ということで、今日は鶯餅の句。

うぐひす餅食ふやをみなをまじへずに  森澄雄

句会流れのスイーツ男子といったところでしょうか。」


2018.3.1
俳句

〈2月のフェイスブックに投稿した拙句です。〉


春立つや水菜はいまだ苦からず

寒明けや障子の溝に蝋塗りて

豆まきの声すでにして恥づかしげ

山焼きに民喜全集持ち重り

  (トランプ政権が核戦略見直し)
矮小とは言へ核は核鬼やらひ

霙降る貘さんの詩にあたたまろ

寒明けや障子の溝に蝋塗りて

  (道明寺菅原道真作試みの観音像)
梅日和笑(ゑ)まし菅公観世音

漣に刃こぼれしつつ薄氷

二月のチョコの帯封風に飛ぶ

山焼きに天金の古書持ち重り

老いの死にいつしか淡し春の風邪

コピー機に忘れ傘あり納税期

天袋に若き母ゐる朧かな

春の雲遠き祈りは思慕に似て

理科室にプリズム青む余寒かな

冴え返る人体模型拭ひゐて

  (聖徳太子御廟のある叡福寺 二句)
街道は塔にますぐや涅槃雪

春の雪足跡に祖師あらはるる

 (雨水 五句)
花のはざかひ一臓なくてけふ雨水

供華に挿す折れ水仙も雨水かな

一臓なくて三つ賜る蕗の薹

蕗味噌のにほひ二人の家に満つ

彫り深きタイヤの無体春の泥

(石牟礼道子「祈るべき天と思えど天の病む」)
天はやはり病んでいますか蕗の薹

歳時記の小口鶯餅の粉

猫柳男(お)の子も含み笑ひして

  (養護学校の理科の授業で)
人体模型の組み立てパズルミモザ咲く

 (金子兜太氏に「大頭の黒蟻西行の野糞」(河内弘川寺)の句)
大頭の観音おぼろ兜太逝く

 (「苦海浄土」の石牟礼道子氏逝く)
道子に秘めし歌のわかれや冴返る


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