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夏の暑い日、朝から選手が起きてきません。昨日の夜は普段と変わりなくいたのですが、「頭が割れるように痛い」といって動けないのであわてて近所の大学病院に行くことに。そこで検査をされて判明したのが髄膜炎でした。つい1週間前に別の選手が髄膜炎と診断されて入院中だったので「感染するのか!?」とちょっとあわててしまいました。

●髄膜炎●

脳と脊髄をおおう膜に炎症を起こす感染症。

【原因】
髄膜炎の原因として最もよくみられるのは、体の他の部位の細菌感染が血流によって脳または脊髄に広がるものです。またウイルス、化学物質の刺激、腫瘍も髄膜炎を起こします。

今回の場合、どちらの経路かはわかりませんが、血液やリンパ液から脳や脊髄のほうへと病原菌が侵入した可能性があります。脳には病原菌に対するブロック作用があるため、普段は感染しないらしいのですが、体力的に弱っている場合などにはそのまま脳や脊髄まで侵入してしまうことがあるそうです。

主に子供の病気といわれるのはここにも一因があるのでしょうか?

【症状】
激しい頭痛、発熱、嘔吐などがみられます。3時間一度くらいの割合でひどい頭痛と嘔吐を繰り返し、選手はかなり衰弱していました。また頭を曲げることが出来るかどうか。首の硬直が髄膜炎の大きな特徴です。

【治療】
細菌感染の場合は抗生物質の投薬治療を行います。病原菌によって薬のタイプは異なります。抗生物質類はウイルス性髄膜炎には効き目がありません。抗生物質を投与しても、脳のブロック作用によって薬がなかなか浸透せず、多量の投与が必要になってしまうこともあるそうです(細菌は感染したのに、困ったことです)。

結局その選手は3週間入院しました。1週間ほどで薬の効果が出てきて元気になったのですが、腰椎穿刺(ようついせんし)で髄液を調べ、基準値を下回らないと退院させてくれませんでした。

1週間に二人も髄膜炎を起こしてしまったのですが、原因として一番考えられたのがクーラーなどの空調による空気感染、そして夏場で体力を消耗した状態、などです。実際のところは不明です。この夏以来、ちょっとだけ髄膜炎に対する知識と怖さを感じる毎日です。

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