「うずのしゅげ通信」

 2023年8月号
【近つ飛鳥博物館にて】
今月の特集

ヒロシマ サミット

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俳句

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私俳句「ブラジルの月」(pdf)
私家版句集「雛の前」(pdf)
2023.8.1
ヒロシマ サミット

〈2023年7月26日にフェイスブックに投稿したものです〉

「今日の拙句です。

  (ヒロシマ サミット)
黒鞄失せ曝涼の閑さに

先日ヒロシマで行われた主要7カ国首脳会議(G7サミット)、 あのとき、アメリカのバイデン大統領に随行していた黒鞄の軍人も資料館の中に入ったように思います。 首脳たちの中での様子はほとんど公にされていませんが、中で首脳たちはどんな様子だったのでしょうか。
サミットが一段落して、原爆死没者名簿の風通しの様子が報じられていました。

もうすこしで祈りの8月がやってきます。
私が教師をしていた頃、原爆を今のこととして教えたいと思いました。
しかし、そのころすでに原爆が投下されてから、60年近くが経過していました。 生徒たちには、原爆はすでに歴史上の出来事になっているようです。そんな原爆を何とかして現在のこととして、 今につなげることできないかと考えて、一つの設定を思いつきました。
宮沢賢治が地球から60光年離れた銀河鉄道の駅から望遠鏡で太陽系のあたりを眺めていて、 地球がピカッと光るのを見るというアイデアです。賢治は、昭和8年に亡くなっていますので、原爆は経験していません。 亡くなってからは銀河鉄道の車掌をしているのです。60年宇宙を旅してきたピカを、今目にして、それが何だったのかを調べます。 広島の状況を伝える電波も届き始めます。そこで、広島に何かたいへんなことが起きたことをはじめて知るのです。
こんなふうな状況を設定することで、原爆投下を今につなげる脚本ができたのです。
興味のある方は覗いてみてください。

二人芝居『地球でクラムボンが二度ひかったよ』
−宮沢賢治が原爆のピカを見た−


『地球でクラムボンが二度ひかったよ』(改訂版)
−宮沢賢治が原爆のピカを見た(一幕一場)−


改訂版は、内容をやさしくして上演しやすくしました。最初のアイデアだけは同じですが、別の脚本と考えたほうがいいようなものです。
二つの脚本、合わせて三度上演されています。」


2023.8.1
フェイスブック


〈2023年7月9日にフェイスブックに投稿したものです〉

「今日の拙句です。

  (耳鳴り)
初蝉の止めば鳴き継ぐ己(おの)つから

頭が悪く仕切り直しの昼寝覚

老いわれに幼のごとき昼寝覚

ががんぼの一目散に絡まりて

中の目も眼中にある窓守宮

籐椅子や家族の埃結び目に

先日、初蝉を聞きました。もう、今日は雨の合間に蝉の声が聞こえています。
二句、年を経るにつれて、頭悪き日というものがあることを思い知らされています。とくに今の時期、天候の影響などもあるようです。
句にも詠まれています。

頭悪き日やげんげ田に牛暴れ  西東三鬼

午後からは頭が悪く芥子の花  星野立子

もちろん、そんなふうに頭の重たい目覚めばかりではなく、 たまに昼寝から、何かが吹っ切れたようにすっきりと目覚めることもあります。」


2023.8.1
俳句


〈2023年7月にフェイスブックへ投稿した拙句です。〉

絶妙を天然と言ふ冷奴

御神燈にただ辺りして夏祭り

天の便りと言ふもぶっちゃけ雹が降る

村中は日傘をささず徒食の徒

老いぬれば蹴飛ばしもせず梅雨茸

  (少年ひとり)
スケボーの孤独楊梅落つる道

  (耳鳴り)
初蝉の止めば鳴き継ぐ己(おの)つから

頭が悪く仕切り直しの昼寝覚

老いわれに幼のごとき昼寝覚

ががんぼの一目散に絡まりて

中の目も眼中にある窓守宮

籐椅子や家族の埃結び目に

蝶の道夜をみちびく花蜜柑

尺蠖や老ゆれば老いの身の丈で

力学の先生の描くあめんぼう

蟻地獄つつけば蟻の巣なりけり

  (上野千鶴子さん)
惚けますと言ひきる覚悟半夏生

手話通訳に一日(ひとひ)果つるや白木槿

帽子まぶかにふきげんなやや山椒魚

空蝉に風の歌口吹かれをり

吹いて鳴るものか空蝉背なの笛

ひかる空蝉見つけて撮つてなほ飛ばず

  (ヒロシマ サミット)
黒鞄失せ曝涼の閑さに



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