約二百年前,
五十五歳にして日本の実測地図を作り始めた伊能忠敬の足跡を
たどりながら歩き,その中で現代の歪みを見つめつつ,
それぞれの人が,
新しい自分自身を見つけだそうとする全国行脚です。
二年近くかけて歩き続け,
2001年の元旦の東京で終わる壮大なロマンの旅。

その朝日新聞主催の企画に,
私の畏友[松井昭彦]氏が参加されています。
永い海外での駐在生活を終え,
もう一度,自分らしく生きる事を探して
一歩一歩を大地に刻みつけるようにして,
昨日も,今日も,そして明日も
歩き続けています。

[狩猟日記] [風よ,雲よ,人よ] [言葉の十字路] [食いしん坊]
[猟場点描2006] [2007〜]
[2008〜] [2009〜]


1999.1.25.東京,旅立ちの日。

男はもう一人の自分になるために,旅に出るのかも知れません。

男は少年の日の夢の続きを探して,旅に出るのかも知れません。

男は自分自身であるために,旅に出るのかも知れません。

[ひとが旅をするのは到着するためではなく,旅をするためである。]
”ゲーテ”

花とともに早春を歩く。

春が花を開くのか,花が春を開くのか,
桜前線に背を押されるようにして北へ。
そして新緑の頃,札幌。

形見とて/なにか残さん/春は花,
”良寛”

各々方,旅立ちでござるぞ。
陣羽織姿の武者と,三千里の道のりに思いをはせながら。

1999年の春を歩き,夏を歩き,秋を歩き,冬を歩き,
また,ぐるりと四季が巡って
2001年の新春の江戸で完結の三千里。

海鳴りと行く。

私の耳は貝の殻/海の響きを懐かしむ。
”ジャン.コクトー”

旅は人を謙虚にする。
自然の中で,人間の占める立場がいかにささやかなものであるかを悟らされるから。
”フローベル”

奥羽三関の一つ,[勿来の関]

吹く風を/勿来の関と思へども/道は狭に散る/山桜かな

男にとってその人生の旅路の三大関所は

”就職” ”結婚” ”定年”

欧州での生活をを思い出しながら。

しばらく眠っていた外国語も流暢に。
松井さん,流石ですね。

人生の旅は,
考えた後で歩き出すのか,
歩きながら考えるのか,
歩いた後で考えるのか,

それが問題なんです。

と,いうような東洋的哲学問答でしたか?(笑い)

九十九里浜。

人生の旅路には, 雨の日も,風の日もあった。
砂漠も,雲の中をゆくような峻険な道もあった。

そして今,
空の青と,海のあをに染まりながら歩く,歩く。
ひたすらに歩く,[伊能ウォーク]を歩く。

[もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば,それが道になるのだ。]
”魯迅”

富岡八幡宮。

私は旅人。
だから古人(いにしえびと)の教えに遵い
旅立ちに際して神社仏閣に道中の安全を祈願し,
自然の中に宿る依り代を畏れ敬い
行く先々で道祖神に祈りを捧げる。

それが旅人としての私の作法。

明日へ。

昨日の続きとしての今日がある。
今日の続きの明日はあるかもしれないし,ないかも知れない。
そんな[不安な時代]に生きている。

しかし,この若者達の笑顔の中には明日への歓びと,
揺るぎない未来への確信がある。

さぁー,ともに明日に向けて。

松井さんへ。

勝手な駄文を書き連ねて

”ごめんなさい”。

同居人もボーイズ達(かい,てつ)も,元気でお帰りを待っています。
また,猟期になれば一緒に野山を彷徨いましょう。

いつものように作成ソフトを使わない手書きですので,
相変わらず,単純で武骨でゴツゴツとしたページですが
旅のつれづれに,ご笑覧下さい。
今度は,それぞれの土地の美味しい食べ物と,
美味しいお酒の話も楽しみにしています。

邪馬台国狩猟人。

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