TOP > 113日間世界一周映画制作記 > アジア編 |
アジア編
今回の旅で初の寄港地となる。今後を予感させるような出来事があった。最初からいきなり天候不順のため、着岸が一時間遅れた。僕にとって台湾は海外初上陸となる。上陸直後から面白いことに出会った。タクシーの運転手ともめ、乗ることができなくなった。しばらく基隆市内をまわることになり、班別で行動した。スりがいるなんて言われていたから、声をかけられた地元の人にも警戒してしまった。その後電車で40分くらいかけて台北へ行く。僕は神吉君と2人で撮影班ということで動いた。
日本にいると、五感でいえば触・臭を感じることのできない海外。僕が体で初めて感じたのは臭覚。臭いがとても気になってくる。いろいろな発見が新鮮で、心に焼きつく人の人なつっこさ。街の汚さ。映画の中の街並そのものである。2リットルペットがあったし、『バーティカル・リミット』を上映していた。トム・ハンクスの映画もあった。街はとにかくバイクだらけで、ホコリがたくさん舞い、車も汚いのが多い。風景はカメラにおさめるにはいまひとつ・・・・
後半になって、86歳のおもろい楽器ひきのおっさんに出会ったり、豚足をそのまま出す店、ニワトリをカゴにぎゅうぎゅうづめにして、そのまま切ったものを売りに出す店、そんな市場もあった。僕が思った通りの道を行けばいいのに、地元の人に聞いた道で右往左往してようやく駅へとたどり着いた。いい加減なこと教える人に最初にあたったのが痛かった。
基隆に戻って食事をするのにも、みんなの態度が悪く、古澤さんにも怒られ、その後デッキでの食事も感じ悪かった。後藤君のバイオリンも、帰船リミットに間に合わなかった仲間も、虚しいものがあった。
ピースボートを迎える団体の建物の前で撮影していると、日本語を話すおっさんが寄ってきた。もの乞いのようにみんなよってたかって何かしら売りに来る。市場やビーチをまわり、ラストの通りではとんでもなく混雑した街並。金魚も売っている。子供たちもかわいくなついてくる。ピンチをあげたら、珍しいのか、次から次からもらいに来た。逆にあげない方がいいのかも。
スラムのようなところで撮影していると、子どもたちがカメラに群がって撮れない。僕が自分のバカチョンカメラで子供をひきつけて、自分の方に呼び寄せた。子供はかわいい。カメアシ用のウェストバッグに入っているもので、珍しがらせた。みんなウェストバッグに興味をもって、何かくれというから、両替のときに金を入れていた封筒があったので、それをあげたらもう大変。みんな食いついてくる。フィルターもピンチもついにはパッセンジャーカードまでとられそうになり、こっちも本気になってガードした。こんなポーズをしろというので、やったらみんな喜んでいた。ひとりなついてきたのが腕にぶら下がってきた。なんだかんだ楽しかった。ベトナムはまたきてみたい。
夕食は案外よかった。たった3ドルで、次から次からどんどん出てくる。日本の1/10以下の値段。食後、夜の町を散策→シクロにのってダナン市内観光。これがかなり気持ちいい。一時間2ドル。だけど細かいのないから50000ドン(約500円)あげちゃった・・・。
マッサージ
のどが乾く。ジュースは生ぬるいのがあたりまえのように売られている。
でもどこの国(といってもまだこの時点では二ヵ国目だが)も、人はあたたかい。日本にはないものだ。たったひとつのモノを買うのにも、お互いの情熱がほとばしる。そういうのを失くして簡略化、合理化したのが先進国。どっちがいいんだろう?僕はここでゆっくり休んでみたい。
外国の街灯は皆オレンジ色の光を放っていた。
夕べの夜空の星のきれいさには驚いた。港に戻ったらそれはなくなっていた。
今朝は集合が早く、ビーチへ向かった。朝食は「ポー」というのを食べた。これはベトナム料理で一番うまい。日本でもうける。
昼間はやはり日射しが強く熱い。僕はへばってしまいそうだった。この先が思いやられる。撮影はドタバタしながら終了。やはり先が思いやられる。昼御飯はあまりうまくない。カレーのような(?)とり肉がたくさんゴロゴロころがっているもの。15000ドン。水も買えない。冷たいのがない。
もの乞いのお歯黒をしているオバチャンがどこへいっても近寄ってくる。層いえば昨日一日で4度も同じ人にあったのに、今日は一度も見かけない。
帰ってきて撮ったビデオを見ていたら、絶望。オレカメラやりたい状態。相楽さんを見送り、ベトナムを後にした。美しいいい国だった。食事は別として、再び来たい。映画撮りたい。大晦日のダナン。日本人の失っているものがここにはあった。いつも値切り交渉。コミュニケーションだ。そしてそれを楽しんでいる。ケンカも見たけど、みんなそれが好き。シクロも客を楽しませてくれる。日本のタクシーはやらないし、客も好まない。違う。徹底的に違う。古澤さんはカメラをボロクソにしてくれた。確かにそうだし、きっとこの先のことを考えてやってくれているのだと思う。ドンドンダメ出しし始めている。キャスティング・スタッフ、みんなのことを叱りはじめているのに、あいかわらず僕は叱られない。役者やってたときもそうだけど、不安になってくる。叱られるかと思って、叱られるまで古澤ルームで作業しているのだが・・・・
夕食のカレーとチョコアイスはうまかった。またその後みんなにビールをおごってすぐにフォローを入れるのは、古澤Pの手腕盗んだり!
出港から1W。久々にIkePノートを見た。「Imagine」じゃなくて確かめに来ている。本当にそうだね。実感してきた。さみしくはないよ。映画のことで手一杯。夢は見た。でも休んでいる暇はない。厳しい毎日がただひたすら続くのだ!
ここは恐ろしいほど印象の薄い国だ。というのもこの日はロケハンから撮影まで、半日でこなさなくてはいけなかったのだ。おかげでまったく自由のきかない日となってしまったからだ。
目をつけていた3ケ所をロケハンしてまわったのだが、どこもいまいち。バスで同行してもらっている役者さんも振り回してしまったような感じ。結局は、街中の路地で撮影することになった。カメアシの僕はレンズやフィルターをとりに、現場とバスを何回か往復していた。この日、カメラは古澤さん(プロデューサー)がまわした。カメラマンはこのときすでに、いきなりポジションが危うくなっていたのだ。国が法で取り締まっているだけあって、とてもきれいな街並だった。インド系・中国系・白人等いろんな人種が入り交じっている国のようだ。僕たちは撮影が入っていたため、満喫することはまったくできなかった。昼食をとったレストランでカレーを食べた。葉っぱの上に御飯や肉・カレーをのせて、手で食べる。このカレーがいんでいらのカシミールと同じ味がした。