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スポーツトレーニング トレーニングと筋断面積
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トレーニングと筋断面積

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トレーニングを行い筋力アップを評価するもっとも大きい要因は筋肉の断面積であるといわれています。トレーニングで筋肉が太くなるということは筋力が上がったということにつながり、それを評価する方法としては周径囲を計ります。四肢の場合には

・常に同じ位置の周径囲を計ること
・皮下脂肪の厚さに変化がないこと

の条件をクリアすれば、筋力の指標(ただし屈筋と伸筋の両方を含みます)とすることが出来るでしょう。

【筋の周径囲】直径×(円周率≒3)

【筋の断面積】半径×半径×(円周率≒3)

たとえば上腕の周径囲が30pの人の直径は30÷3=10p、
半径は5p、筋断面積は5×5×3=75p2

の人が3ヶ月間トレーニングを行い、上腕の周径囲が33pになった場合、

直径11p、半径5.5×5.5×3≒90p2 
筋断面積は約1.2倍=筋力は約1.2倍向上した、と評価することが出来るのです。

この筋断面積の評価は筋力トレーニングの指標としてだけではなく、ケガなどをしてリハビリを行う選手の健側(ケガをしていない方)と患側(ケガをした方)の比較、評価にも非常に有効です。患側は健側に比べてどのくらいの筋力が回復しているかを周径囲で評価します。

およその目安として周径囲10%アップで筋力は約20%アップであるといえるでしょう。

片側か両側か

トレーニング種目には、

・ダンベルなどを使い片側ずつ行うもの(ユニラテラル:一側性)
・バーベルなどを使い両方に同じ負荷をかけて行うもの(バイラテラル:両側性)

があります。トレーニングの初心者や筋力の少ない女子選手などにはバーベルを使ったトレーニングが左右同時に筋を強化できるので効果的であり、片側ずつ行うトレーニングはある程度トレーニング経験があり、筋力のある選手に向いているといわれています。

片側ずつ行うトレーニングは筋力だけでなく、その負荷に対するバランス能力などの向上が期待でき、個別に筋力を強化することで選手の競技特異性によっては非常に有効的な場合があります。またケガからの復帰に向けたトレーニングでは、トレーニング出来る側のみしっかり行うことも可能です。

しかし片側ずつ行うトレーニングは反面、両側同時に動作を行うときの筋力があまり向上しないというデメリットがあります(両側性欠損:バイラテラルデフィシット)。これらの長所、短所をよく考えながら、競技特異性とトレーニングを行う選手の状況にあわせながらトレーニング種目を決定していく必要があるといえるでしょう。
 

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