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頚椎損傷が疑われるとき

スポーツ活動中に頭部や頸部に衝撃が加わった場合、初期処置の対応が非常に重要になります。頭部や頸部の傷害は致命傷に至る重篤な場合があるからです。

意識がある場合とない場合では、意識のない場合のほうがより重篤であり、頭部、頸部の両方に損傷があると仮定して対応する必要があります。

●選手の生命が一刻を争う状況にあるかどうか

気道は確保されているか、呼吸をしているか、脈はあるかの第一次評価に対して確認されない場合は救命活動を開始し、救急車が到着するまで行い続けます。

●さらなる損傷を防止する

一般的に、意識のない選手に対しもっとも重要となるのはさらなる損傷を予防することです。評価を行っている間も頭部と頸部は手で固定をする必要があります。気道確保のときに頸部を後屈させてしまうと損傷がひろがるおそれがあるため、あごの骨を上に持ち上げて気道確保をする下顎挙上法を行います。

また搬送のときにも振動で頭部や頸部に負担がかからないように、全身を固定して行う必要があります。

●意識のある場合

意識のある選手はそのまま体を動かさないように指示をし、手足のしびれ、感覚の確認、脱力感、頸部の痛みなどについて「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を行って、情報収集します。このときに選手が手足のいずれかが動かないといった運動制限や、筋力発揮ができないといった症状を訴える場合、すみやかに頭部と頸部を固定して救急車を要請するようにしましょう。

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