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どれだけケガを未然に防ぐ努力をしていても、時としてスポーツ活動において傷害は発生します。大切なのは傷害が起きた後の適切な処置です。傷害が発生した場合ドクターやトレーナーはケガの状況を把握し、評価を行い、観察をします。

●プレー続行は可能かどうか。治療が優先される状態であるか。

●痛む部位、痛みの程度。

●ケガをした部位をどの程度動かせられるか。

●体重をかけられるか。全加重(全部体重をかけられる)できるか、半加重か、まったく加重できないか(非加重状態)。

●腫れ方。すごく腫れているか、内出血しているか。また止血はただちに可能か。

●選手の意識が消極的になっていないか。

●プレーを続けるにあたって不安感はあるか。

これらを瞬時に判断し、競技続行可能か、治療優先かを決定します。
 

RICE処置

R・・・Rest I・・・Icing C・・・Compression E・・・Elevation の頭文字をとっています。

捻挫、打撲、肉離れと思われるケガ(スポーツ外傷といいます)は正しい処置をすると、痛みと腫れを抑えることができ、より早くスポーツの現場に復帰することが可能です。スポーツの場面では様々な事態が予測されますので、競技や練習のときは氷とバケツに入った水、伸縮包帯、ガーゼ、テーピングなどを用意しましょう。

1)安静。ケガをしたところを無理に動かすとひどくなることがあります。患部を動かさないようにある程度固定し、様子をみることが大切です。

2)氷冷。ケガをしたところを冷やす。このことにより患部の毛細血管が収縮されて出血を抑えることができ、腫れを防ぐことができます。また冷やすことで痛みを軽減する作用が得られるので、筋痙攣のときにも有効です。ケガの受傷後のリハビリテーションやスポーツ活動をした後に腫れてくるときなどにも効果的です。

方法としてはアイスパックや氷、水などを用いて患部を20分〜30分ほど冷やします。皮膚の感覚が冷たい感じ→ヒリヒリする感じ→しびれて感覚がなくなる感じ、と時間の経過と共に変化します。30分以上すると今度は反応性の血管拡張が起こってしまい、腫れが増大するので注意が必要です。その後時間をかけて感覚を取り戻します(長くても約1時間まで)。これを24時間〜48時間繰り返すのが理想です。

3)圧迫。ケガをしたところに包帯やテープを用いて圧迫することによって内出血を抑えます。圧迫しすぎると神経や太い血管まで影響が及びますので、患部より先がしびれたり、色が変わったりしないかを確認したうえでおこないます。

4)挙上。ケガをしたところを心臓よりも高く上げることで、血液の心臓への戻りを促し、腫れを防ぎます。患部の下に座布団やタオルなどをいれるとより楽に挙上することができます。

ケガの受傷直後にこのようなRICE処置を適切におこなうと、ケガの回復が早くなります。ただし処置はあくまでも救急処置です。医師による最終的な処置や診断を受けるようにしてください。
 

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