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否定 → 怒り → 消沈 → 認識 → Positive

1)否定。文字通り事実を認めていない状況です。選手がケガをすると重大なケガをした選手ほど、こちらからの問いかけに「大丈夫です」と答えます。その大半は「大丈夫」ではありません。選手の判断に惑わされず、事実を把握する必要があります。

2)怒り。動けない、重大なケガであることに気づくと選手はその事実に対して怒りを覚えます。大声で叫んだりします。

3)消沈。いくら大声を出しても、現状は変わりません。その事実がわかるととたんに選手は「どうせ私なんか・・・」と意気消沈します。プレイできないという辛さがあらわれてきます。

4)認識。怒って、意気消沈した後にようやくケガをした事実を認めることになります。

5)Positive。事実を認めることでリハビリテーションに前向きな姿勢を見せるようになります。ケガを直せばまたプレイができるという気持ちが生まれてくるようになります。

最後のPositiveの段階にくるまでに選手には様々な心理状態が生まれます。個人個人によってその差はありますが、ケガをした選手を孤立させず、youではなくてweとして一緒に考えていくことが大切です。
 

キズの種類

キズは専門的にいうと「創(そう)」と「傷(しょう)」に分けることが出来ます。「創」とは鋭利なもので切ってしまったといった場合の開放性のキズのことであり、「傷」は打撲したときのような切り口のない閉鎖的なキズのことを言います。スポーツ現場で頻繁に起こる「創」はいろんな種類があります。

●擦過傷(さっかしょう)
皮膚を擦(す)ったときにできる創で、出血やヒリヒリした痛みを伴います。キズが広範囲になることもしばしばで、感染を起こしやすいと考えられています。回復の具合は皮膚へのダメージの範囲によります。また皮膚の下に血腫が出来る場合もあり、そのときは注射で抜くようにします。

●挫創(ざそう)
小石などが多くあるグランドでスライディングを行ったときなどに出来る創。皮膚がつぶされて擦られたように挫滅し、キズ口はギザギザである。化膿しやすく治りが遅いことが多い。

●切創(せっそう)
刃物などで切れたときに出来る創。切り口はシャープで周辺組織へのダメージは少なく、刃物が汚染されていなければ化膿することも少ないと考えられます。ただし創が深い場合には皮下の腱や血管、神経などに損傷を与えている場合があるので注意が必要です。

●割創(かっそう)
接触プレーなどで選手同士の頭がぶつかったときなどに起こる創で、皮膚が割れた状態になります。キズ口の周辺組織につぶされた部分がある場合はそこが壊死を起こすので、縫合する場合にはその部分を切除してから行います。

●刺創(しそう)
針を踏んだときなどに出来る創。キズ口は小さく出血もほとんどみられない場合もあるが、深部まで達していることが多い。足裏は皮膚が厚いのでキズ口ががすぐに閉じてしまい、嫌気性(けんきせい:酸素を必要としない)の破傷風菌が増殖しやすく危険である。病院での治療の参考となるため、刺したり踏んだりした針や釘は、病院に行く際は持参するとよいでしょう。
 

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