和菓子歳時記  
       
季節の和菓子 
夏 六月

      葛饅頭二種 「緑風」         「蛍」          

                           

        葛焼                    焼菓子「若鮎」

                  
                            
                   外郎生地「枇杷(びわ)」          原料 「吉野本葛」

                  

              

葛饅頭「緑風」

つるりとした透明の吉野本葛生地で白餡を包んだ葛饅頭。
見た目も涼しげですが、召し上がる直前に器ごと一緒に軽く冷やして頂くと涼味が広がります。

葛饅頭の別名は「水仙饅頭」と言われる事もあります。
古くは葛切りのことを「すいせん(水煎)」といい、江戸時代に水仙の字を当てて広まったそうです。


葛饅頭「蛍」

夏の宵に一匹の蛍が川面で灯りをつけています。大納言小豆を蛍に見立てています。

葛焼

葛・漉し餡・砂糖を合わせ練り、蒸した後に表面を焼いた、ひなびた風情の和菓子です。
材料の良しあし、練り加減、水加減で味に大きく差が出ます。
シンプルな和菓子ほどゴマカシが効かず、作るのは難しいと感じます。
見習の私には日毎に出来映えが微妙に違い苦労しています。

焼菓子「若鮎」

卵・小麦粉・上白糖を原料に、銅板で焼き、伸ばした求肥を包んだ焼菓子。
保存剤、真空包装(脱酸素剤)など当店では使いませんが2〜3日は日保ちします。
表面はきつね色でも中はしっとりしています。卵の風味を自然のまま味わってください。

外郎生地「枇杷」

室町時代、中国から丸薬が入ってきて「外郎」と言う名で評判になり、この薬が苦かったので口直しとして
作られたお菓子が「ういろう」の始まりと言われています。
外郎と言えば、棹物(羊羹のような形の和菓子の総称)を思い浮かべる方が多いと思いますが色々な和菓子の生地(皮)としても利用されます。今回は、枇杷を作りました。

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