和菓子歳時記
季節の和菓子
冬 十二月
大島きんとん「初冬」 織部薯蕷 「遠山」
外郎生地「姫椿」
「大島きんとん」
きんとんは、そぼろ菓子とも呼ばれます。
そぼろとは餡などを、こし器でこし出してものです。「きんとん」は、それを餡玉のまわりに付けたお菓子です。
材料としては餡、薯蕷、羊羹などあり、白餡を着色し濃淡を出したりして季節などを表現します。
一年を通じて変化が楽しめ、口の中で自然に溶ける程の口当たりの良い柔らかなきんとんは茶席には欠かせない上菓子です。
写真は黒砂糖(大島)餡のそぼろを付け山に見立て、上に薯蕷餡を飾っています。12月も中旬になれば、純白の雪を付け、白が多くなります。
「織部薯蕷」
前回、そば薯蕷で説明していますのが、山芋を材料とした薯蕷饅頭のバリエーションです。
薯蕷饅頭は独特のやわらかさと風味、そして自然の白さと端正な上品さが茶席でも好まれるお菓子です。
写真の織部薯蕷は千利休の高弟・古田織部(ふるたおりべ)が作った「織部焼」陶器のうわぐすりの垂れを抹茶の緑で表したお菓子です。普通は丸い形ですが、今回は
山形に成形して遠方の山をイメージしています。
薯蕷饅頭の製作説明と写真はこちらにあります。
「姫椿」
「さざんか」の別名です。柔らかい外郎生地で西京味噌餡を包んでいます。
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