和菓子歳時記
季節の和菓子
夏 八月
葛絞り「雲」 「十徳」大島(黒砂糖)入り
葛粉(くずこ)は、まめ科の葛植物である「葛の根」から採取される良質のでん粉。
精製に手間がかかり少量しか生産されないため高価な粉材料です。
奈良県吉野の吉野本葛を使用。
葛絞りも葛饅頭も熱い材料を細工しますので作るのは熟練の技を要します
水に溶いて加熱すると透明の糊状になり独特のなめらかさと舌触りが特徴。
透明感があるので夏向きのお菓子です。 冷やして食べるとひんやりつるりと、それでいてとろりとした葛の食感。
ただし、食べる15分前くらいに冷蔵庫に入れて軽く冷やす程度がベストです。
冷やしすぎると葛が白く固くなりすぎてしまい、本来の旨味がそこなわれます。
出来たその日の内に召上ってもらうのが一番美味しいです。
普通は1個 150〜350円位で販売しているようです。もしそれより安い場合、大抵は廉価な材料を使ったり、本物の葛粉ではなく、馬鈴薯デンプンなどを混ぜたりしたものを材料にしている可能性があります。
同じような夏の食材にゼリーがありますが、これは動物の骨など動物性成分から出来ており、葛粉や寒天などの植物性成分とは性質などに違いがあります。
本来の和菓子は日本に昔からある天然で自然な材料、特に穀物や粉などと、一部の果物で作られるもので、健康・安全面からももっと高い評価があって良いのではないでしょうか。
ケーキも美味しいですが、洋菓子と和菓子の価格には食材、手間ひま、職人技など考えればちょっと和菓子がかわいそうな気がします。需要と供給の論理でしょうが‥‥
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