腱鞘炎ノート

For All Patients Who Are Troubled With TENDINITIS.
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RSDとは

 

RSD=Reflex Sympathetic Dystrophy、和名を反射性交感神経性萎縮症という。
最近ではComplex Regional Pain Syndrome(CRPS)というらしい。

突き指や骨折、手術や注射、他ほんの他愛も無い、医師が想像だにしない神経への刺激(損傷?)が発端となって、交感神経の異常なまでの興奮が起こり血管を収縮。神経が萎縮し筋肉が拘縮。麻痺や少し触っただけでものすごい痛みを引き起こす。広範囲に血流が悪くなるために皮膚の色が悪くなり、骨がもろくなる、むくむ。血流が阻害されるので回復が遅れ、さらに神経の状態が悪化する。
という病態を呈するものです。
これの痛みは、手を筆で撫でても痛いとか、触っただけで痛いので爪を切れないでいるとか、ネットでそんな記載を目にしたことがあります。テレビのニュースでは、右手で発症したものが3年後に左手にも痛みや拘縮が起こり出した、とありました。

さて、神経が損傷するとなんで血流が阻害されるんでしょう?
「怪我をして出血すると人間の体は、交感神経を興奮させて血管を収縮させ、血流を低下させて止血しようとする」らしいのです。
それが、「損傷した神経」では交感神経の興奮がいつまでも止まらず、血流を低下させ続ける、しかも範囲が広範囲になる(手全体とか腕全体とか)。したがって神経はさらに血行不良になり損傷が回復しない…以下悪循環。よって非常に難治で、進行性でもある。

桜がこの病名を始めて知ったのは4年前(だったかな?)。今の病院へ行く前です。
最初に行った手の外科の受診の際、整形外科の待合室で知り合ったおじさんがそれだったんです。(大阪のかなり大きな総合病院。大学病院ではないけど。谷○線沿線にある)
その時から更に3年前にその病院で手術をして(やはり、というかたぶん腱鞘炎で)、一瞬でRSDを起こし現在まで(当時)無職でリハビリの毎日だったそうです。おじさんが言うには
「激しい痛みと、手の甲側の筋肉が収縮。掌を反らせた感じになり、逆に指は曲がったまま。そのままの格好で固まってしまい、手を開くことも指を伸ばすこともできない。仕事どころか日常生活もできない、入院させてもくれない。わしの人生返せといいたい。でも裁判を起こして闘うには自分の症状と闘うのでやっと。最近なんとか少し動くようになった」
おじさんは握力をつけるスプリング状のボールを握ってました。私が見た時点ではそんなに拘縮した感じではなかったけど、力が入らないのか手がダラリとしていて、皮膚の色が普通じゃなかった。
このときはただ「RSD」という言葉だけを会話の中に聞き、なんとなく頭の隅っこに残ってただけで、詳しいことは全然わからなかった。おじさんの苦悩もわかっていなかった。
あれから4年、名前もきかずにお別れしたけどどうしているだろう。少しづつ力が戻っているだろうか。


原因

 

先述のように解っていない(汗)
でも桜は花粉症やリウマチのように、体の防御反応が必要以上に過敏に反応して起こる体質なのではないかと、勝手に思ってます。(素人が言ってもなぁ)
そう思う所以はやっぱりあのおじさん。おじさんは書き物をしていて手がいたくなり細々と病院にかかっていたが、ある時鍼に行ったそうです。そうすると手が全体に痛くなり、いよいよ心配になって大きな病院にかかったら、(本人曰く)実験的に手術をされてしまった。手術中に「ここも切ってみていいですか?」みたいな感じだったらしくて(怖い)。後から考えてみると医者は何もわかっていなかったんじゃないか…と。
この医者はたぶんとんでもないヤツで、世の中こんな医者ばかりじゃないんですが。ただ、こんな医者もいるってことなので患者は自分なりに勉強して、自分の体を人任せにしてはいけないと強く思った次第です。
さて、話を戻しますが、桜はこの鍼の後で手が全体に痛くなりというのが匂うんだよね。
医者に診てもらったのは鍼の後で、医者は「鍼の後で全体に痛くなった症状」に対して原因がわからず、手術をしたわけですが、これがそもそもRSDが出ていたんじゃないだろうか?
鍼というのは体に針を刺します。髪の毛みたいに細い針なんだけど、刺すときは痛いときもあるし感じないときもある。おじさんはこの鍼治療で微妙にどこかの神経をかすって、弱いRSDを引き起こしていたんじゃないだろうか。
桜はもう何10回も鍼治療に通ったけど、そんなことにはなったことがない。だからおじさんはRSDを引き起こす体質、もしくは自律神経の状態を持ってたんじゃないかと思う。
そういう人がメスを入れれば重篤なRSDを起こすのも無理はない。
神経に起因する広範囲な痛みは、腱鞘炎のそれとは場所も範囲も異なる。でも問診する限り腱鞘炎っぽい。だから開けてみたいと思ったのだろう…。

主治医の話では、ちょんと注射針を入れた途端にみるみる、広範囲なシビれや痛みがひろがることもある、とのこと。
先天的な体質なのか、たまたまその時の交感神経のコンディションによるのか、医者もわからないと言ってる原因を桜が特定できるわけないんですが(笑)、そういう病気が存在するということは事実なんです。
だから最初に手術を受ける前、聞きかじった名前を必死で思い出して「RDS」とか「RSL」とかいい加減な言葉を検索にかけてインターネットで調べました。やっぱり怖かったからね。
誓約書なんか出したら、なんかあっても文句言われへん…と思って。
で、結局前のページで述べたような結論になったわけです。

桜が後になって主治医に聞いたRSDの症状は次のようなものです。
・神経を損傷し、血流が悪くなり、骨が痩せる、云々。
・手が手首から曲がったまま伸びなくなる。激しく痛む。
・きっかけは手術だけじゃなく、なる人は注射しただけでもなる。採血でなった人もいます。
・1度目は平気でも、2度目になる人もいる。
・原因不明。対処の仕様がない。
・ブロック(神経ブロック)しても中々スッキリと治らない。
・神経的な要因が強い。なると思って受けたらなる(ホントかよ)。
先生はまだ自分で発症させたことはないそうです。でも何例か見たことがあるとか。
でも、発症を恐れていたらほとんどの医療行為ができなくなりますよね。
賭けみたいなものなんでしょうか。
だとしてもかなり安全な賭けです。医療行為というのはそもそもそういうものなのかもしれないですね。

2005年秋、この病気で医療ミス裁判を戦い勝訴したというニュースを聞きました。
3000万円程度の賠償金を払うという判決だったそうですが、体の不具合は何億もらってもイヤですね(^_^;)