腱鞘炎の治療と予防
「腱鞘炎になっちゃった…かもしれない?」
となれば次は当然「どうしよう〜っ;」ですが、はっきり言って私は最初どうしたらいいかさっぱりわかりませんでした。まあ 腱鞘炎と筋肉痛の区別もついていなかったくらいなんで、医者へ行くという発想すら最初はなかったのです。
たぶん皆さんには、ここが1番大事でしょう。「説明や成り立ちよりも、どうやったら治るのか、それを知りたいんだよ」と。
腱鞘炎が治るって、もうとにかく炎症がひいてくれるそれだけです。どうやったら炎症がひくのか?
@生き物ですから治癒力があるので自然に退いていくのを待つ
A薬で強制的に炎症を鎮める
B手術で通過傷害を起こしてる腱鞘を切開すると共に、これまでの炎症で傷ついた組織を撤去する
簡単に言うとこの3つです。実際に何をやるか?@の時はただ待ってるだけではいけせん。待ってる間に悪化させてしまっては何にもならないので自己管理や日々の暮らし方、使い方で、患部にこれ以上負担をかけない工夫をします。具体的には「安静にする」ことと「体を健康にする」こと。詳しくは後で述べます。
Aはステロイド注射です。手の外科の先生にピッタリ狙い定めて薬を患部にとどけてもらいます。ステロイド剤については「ステロイドTとU」も参考にして下さい。或いは急性時に消炎鎮痛剤(ロキソニンなど)を服用して初期の炎症を鎮める方法もあります。
Bも手の外科の先生のお仕事です。
この3つは傷病の程度(重症度)によって使い分ける必要があります。症状のページにあったレベル3までの人は@の方法しかないでしょう。レベル4〜6の人も@で炎症が引いて行くならそれでいいのですが、自然治癒力が追いつかなければAへ、それでも何度も繰り返すようならBへ。
桜は3つの方法全て経験しました。一番初発の母指バネ指は相当重症だったのだけど、無知だったので結果的に何もせず何故か今はほぼ完治しています。ただ非常に長い間(2年とか)苦しみました。
その経験から@からAへ切り替えるタイミングがあると考えます。目安は2週間から1ヶ月くらいの間の症状の引き方です。
レベル5以上になると憂鬱で日常生活にも支障をきたすと思いますが、それが1週間ごとに「ちょっとマシになってる」、1ヶ月で「だいぶマシになった」「気がラクになった」って感じだったらこのまま軽快する可能性ありかもです。腱鞘炎で病院へ行ってお医者さんが「湿布出しますから様子見ましょう」って言うのはこういう意味もあるんです。逆に1ヶ月たってもまだ同じように憂鬱で「もう疲れた」って思うような時は、「あたしの治癒力追いついてない」って見てAへ行くことを考えてもいいかもしれません。検査や画像診断って方法がないので自分の気分に聞いてみてください。実際は痛みがひどい時はさっさと注射打っていいんですけどね。副作用もあるのでお医者さんの方で少し様子見たいと思うようです。どうせ打つならさっさと打った方がいいです。早いほど被害少ないですから。でも、矛盾するようですが、安易にステロイドを多用するのも困ります。
安静が3ヶ月にもなると筋力が低下して合併症というか2次被害を招きかねません。整骨院や鍼灸院の中には副作用や手術のリスクばかりに言及しててっとり早い西洋医学的治療(薬品や手術)を否定する考え方もあり、私はそれを鵜呑みにしてタイミングを逃したなぁという実感があります。長引くことの弊害については誰も言ってくれませんでした。でもまあ自分でやったことだからしょうがないですけどね(^^ゞ
それではAとBは次のページで述べ、ここでは@の時にする事について述べます。
1.冷やす 暖める
手を使った後、痛いな、とか 火照ったカンジがしたらすぐ氷!アイスノンとか言わずにそのまま氷がいいでしょう。また保冷剤だと雫がたれないのでサポーターで固定してそのまま仕事ができます(^.^)
「冷たくて気持ちいい」と思ったら、それは 体が冷やして欲しがってる時です。大体使用中&直後。短い時間でもいいから、 カンカンに冷やします。15分から20分という意見が一番多いかな。
暖めるのは、逆に使用後時間が経過した場合。使用前も温めるとよいです。この場合腱だけではなく腱と繋がってる筋肉も温めると効果的。
超音波療法、レーザー照射も暖めてることになります。
桜のお気に入りは「せんねん灸」 の1番軽いレギュラーでの お灸。
2.身体を動かす
やっぱ基礎体力っていうことで、スポーツクラブへ行く。
血の巡りをよくするためのウォーキングや、筋トレをする。
マシンの重りは両手で1枚しか上げられません(笑)。(腱鞘炎が悪化すると出来なくなる。)
どこでもストレッチ。手首を回転、肩を上下、掌反らし。人前でやると恥ずかしい。
使う前にも準備体操のようにストレッチをした方がいいです。
突然ラジオ体操。仕事中ワレに返ったらやる。 CDは買いました(笑)
さらに お風呂で手を〜結んで開いて〜♪っとやります。(痛いときはやっちゃダメ)
80回ほど連続すると 前腕の筋肉がダルくなってきて、指を動かしている筋肉が前腕にあるということがよくわかります。
使う前にストレッチや手首を回す、振る、などして血行をよくして筋を暖めると
予防効果が高いようです。(私のような冷え性さんは特に)
3.主治医の定期点検と解剖講義を受ける
仕事に支障をきたすようなときはステロイド注射を打ってもらう。
それ以外のときは完全な予防&悪化防止。痛みが出たり筋肉が張っていたりすると、その場所がどういうときに使う筋肉かを説明してもらう。
そうすると仕事中の自分の姿勢や問題点が見えて来るので普段の生活態度を改める←酒の飲みすぎだけは改まらん^^; 日常も道具や取っ手などを負担のない使い方ができるようにパーツを換えたり(ハンズとかで売ってる)、輪っかをつけたり、滑らないように何かを巻いたり工夫する。今はトイレットペーパーホルダーを換えたらよかったなーと後悔してます。
この過程で解剖講義を受けて、自分でネットで調べたりしているうちに各部の名称とか一部の医学用語なんかを覚えてしまいました。
4.キーボードやマウスを使わない
パソコンのキーボードはあまり打ちません。
右利きの桜が最初両手の親指に発症したのはワープロのせいです。変換キーが負担だった。最初はIBMのビアボイス(音声認識ソフト)を使ってました。認識が少し遅いけど、こんな体になるとほんとありがたいソフトです。思っていたよりも使えます。パソコンのメモリは大きいほどGOODです。
2004年現在はビアボイスよりドラゴンスピーチというソフトの方がお薦めです。
IBMがビアボイスを放棄して、その後を請け負ったスキャンソフトという会社が明らかにドラゴンスピーチの方に力を入れてるようなのです。世界的にもシェアが高いらしい。
マウスはやめてトラックボールを使ってます。時にはボールを右手で転がし左クリックを左手で。腱鞘炎は同じ体勢を維持することで起こりやすいので、どんなに人間工学考えてますってデザインの商品でも、こういうかっこうで持たないと使えませんって融通の利かないデザインはよろしくないです。
なお、キーボードも製品によって無駄な力を要するのものもあります。キーボードに限ったことではないですが、ちょっと疑問に思ったら我慢して使わずに違う商品を探してみてください。日々のビミョーな無理が大きな被害をもたらします。
5.固定する
いちばんひどかったときに患部を安静に保つための装具(指を固定するための道具)を作りました。今でも愛用しています。装具のない指がズキズキするような場合は、割り箸を添え木にしたりします。痛みが楽になります。
割り箸よりもっとお奨めは、腱をサポートしながらも動きを完全に束縛しないテーピング。
キネシオロジーテープを使います。薬局に売ってます。
前まで伸縮性のテープを使ってましたが、最近非伸縮性のを使ってみました。
どっちがいいのかはわからん・・・・・・(笑)
テーピングの仕方は整骨院などが詳しいでしょう。ただ色々な方法があり誰のどんな方法が最もいいのかがわからん。
整形外科(西洋医学)では医療行為に入らないので知らない医師も多いかと思います。
もっと詳しくは「固定」のページへ。
6.整骨院へいく
マッサージしてもらいます。肩や腕のコリも影響があるので、上半身全体をマッサージ。低周波治療(いわゆる電気当てる)も結局はマッサージと同じ効果なのかも。
7.鍼灸院へいく
東洋の神秘!っていうことで、最初は期待していました(笑)。でもやっぱ完全に良くはなりませんね。それでも鍼を打つと少しだけ楽になるのでたまに通ってます。
予防として頚や肩周囲、腕の筋肉のはり、コリを取るのが目的です。
8.薬剤
整形外科でインドメタシンの入った湿布薬と塗り薬をもらう。愛用していたのは ”モーラス”&”インテバン” 。
モーラステープ(肌色)というのだと剥がれにくくて目立たない、優れものですよ。
特に就寝前に貼ると朝起きた時全然違います。貼らないと浮腫んだ感じがあったり…。
でもレベル4以上になったらあまり効果なし。どちらにしても対症療法ですので貼ってたら治るというものではないですが、自己管理に一役買ってます。
ただし、かぶれたら止めます。
9.その他
お箸を使わない(いつもフォークを持ち歩く←手術してからその必要はなくなりました)
トイレはウォシュレット、食器洗い機を買う、などなど。
大雑把に言うとこれらは、回復力をつけることと悪化防止を目的とした行為です。つまり安静と健康ですね。すごく生活習慣病っぽいわけですね。対処も民間療法的になってくるわけです。
なにしろ、最大の予防と治療は休息。手を使わないこと、なんですから。
では、レベル4以降の整形外科的治療は次へ。
なお治療についてブログ『不健康日記』にまとめたものがありますのでそちらも併せて参照ください。
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