腱鞘炎ノート

For All Patients Who Are Troubled With TENDINITIS.
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ステロイド剤の種類

 

少しステロイドについてお話したいと思います。
世間で色々コワイと言われてるステロイドには、経口剤(内服薬)、外用剤、吸入剤などいろいろな形状があります。私が使ってきたのは注射剤で、これには水溶性ステロイドと懸濁性ステロイドというものがあります。自分のカラダで捉えた感触をご紹介します。
一般的にはステロイドというとアトピー関連で使われる外用剤の方が有名で情報量も多いですが、私はそちらはまったく不案内です。これはあくまでも注射剤の話です。なお、花粉症などでステロイド筋肉注射をする場合もあるそうですが、それとも違います。筋肉注射は全身に作用させますが私の場合は「腱鞘内注射」なので主に腱鞘内と近隣の皮膚にのみ影響します。(筋肉と腱鞘では付近に存在する血管の量がまったく違いますから、全身への影響が著しく異なります)

水溶性ステロイド…成分が水に溶けてる状態なので、体内での吸収がいい。
無色透明で生体に馴染み、薬で腫れたり痛んだりしない代わりにすぐに排泄される。
ベタメゾンやデキサメサゾンなど力価の強い化合物を使ってはいるが
患部に留まる時間が短く緩やかな効果を得る。なんとなく効いたな〜みたいな時が多い。
懸濁性ステロイド…成分が水に溶けず結晶状態で混入しているので液が濁っている。
体内に結晶を取り入れるので炎症という反応を伴って痛い。
(炎症とはそもそも異物を排除しようとする健全な生体反応である)
体に吸収され難く患部に長く留まって仕事をする(持続型ステロイド)。
成分であるメチルプレドニゾロンやトリアムシノロンなどのステロイド化合物は、水溶性ステロイドのそれより
力価は弱いが、残留時間が長いためか効果は水溶性より大分いい。

ステロイド剤の成分には色々な種類があり、その力価にもかなり開きがあります。
残留時間の短い水溶性には、懸濁性より力価の強い化合物が使われるているようです。
でも外用剤にはもっと強い物もあるようです。
以下は桜がこれまで打ってもらったステロイド剤の個別の使用感です(太字は商品名)


リンデロン(リン酸ベタメゾンナトリウム)…水溶性ステロイド 
  Dr.Nにお世話になる前月一で打っていた。
  48時間で排泄されるので気軽に打っていたのかも。特に印象はない。
  軽めの症状の時に使う。

デカドロン/デキサート(リン酸デキサメサゾンナトリウム)…水溶性ステロイド 
  こちらも軽めの症状の時に使った。したがって劇的な変化は味わったことはないが、
  ちゃんと効いてくれた。1度デケルバンに使って非常にいい仕事をしてくれたが
  (デカドロン)、外側上顆炎には捗捗しくなかった(デキサート)。

デポメドロール(酢酸メチルプレドニゾロン)…懸濁性ステロイド
  俗に言う持続型ステロイド。結晶性でアルコールに溶け水に溶けないため長く体内に留まる。
  2週間ぐらいかかって排泄され、その間ゆっくり効き続ける(らしい)。
  粒子が大きく太い針を使うため針傷の痛みが1週間残る。結晶の状態で投与するので
  直後から患部が腫れて痛むが翌日には退いている。
  打って数時間後から痛くて使えなかったことが明らかに出来るようになり
  比較的早く効果を実感できる。一番最後まで痛いのが針傷の痛みかも。

ケナコルトA(トリアムシノロンアセトニド)…懸濁性ステロイド
  こちらも持続型ステロイド。資料によると1週間後と2週間後の残留量に変化がなく
  グラフがそれ以上ないので、いつ出て行くのかわからない。投与後の腫れと痛みが強く
  そして長引く。初めの3日は動かしても痛いので何がどう効いたのかわからないが、
  その後痛くて使えなかったことが出来るようになっていることを発見する。
  針傷の痛みは上と同じだと思うが腫れが強くて気がつかない。
  1ヶ月くらいかけて痛みが継続的に軽減していく。
  最終的に炎症をとる力は相当強いと思う。
  患部の皮膚に色素沈着、皮膚萎縮(?)が現われたが、2ヶ月ほどするとだいぶ引いてきた。

あくまでも個人的な反応です。痛みの出方や効果は人によって様々だと思います。
予備知識として参考程度にしてください。なお感想はともかく、薬品の詳細については素人が調べた事項なので専門的に正しいかどうか保証はしません、ていうかそんなに正しくないと思う…。

◆さて、ここから下はちょっと突っ込んだ話です。
ステロイド剤というと副作用という考えが頭を離れません。どうして副作用を恐れながらもステロイドを使用しなければならないのか、自分がその効果の恩恵を受けているだけに安心・納得したくて調べたことです。長いので興味のある方だけお読みください。例によって専門的に正しいかどうかは保証はしません(笑)

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炎症とステロイド

 

身内が喘息の発作で救命救急センターに運ばれたときステロイド剤の点滴を受けました。
身内は日常の喘息のコントロールにも吸入タイプのステロイド剤を使っています。
私の突発性難聴の折にもやはり点滴でステロイド剤を使用されました。
それ以外にもステロイド剤は有名なところでアトピーに外用薬だとか、花粉症の注射や重度の肺炎やリウマチの際にも使われます。
喘息、難聴、腱鞘炎、アトピー、肺炎、膠原病…。
どうして何でもかんでもステロイドなのでしょう?ステロイドって何?って素朴に思いません?
実は、これらの疾患はすべて『免疫』が関係しているのです。

◆炎症とはなんぞや?
アトピーや膠原病は大雑把に言えば免疫の過剰反応による疾患です。(大雑把すぎ?)
それに対し他の腱鞘炎や難聴、肺炎、これらは炎症性疾患です。どうもこの『炎症』というのも体に備わった免疫作用の1つらしいんです。免疫とは体を外敵から守ろうとする自己防衛機能ですが、炎症もその機能の延長線上で起こって来る生体反応らしいのです。
『炎症とは、体細胞が何らかの原因で傷ついたとき、原因を取り除いたり細胞の壊死物を除去する過程の反応である』と。(参考サイトはこちら
例えば風邪のウィルスに攻撃されたり細菌が入ったなどの感染症のとき免疫細胞が敵を排除します。
また、包丁で指を切った、骨折、火傷、など外傷(ケガ)をして細胞が傷つき、あるいは死滅した場合も異物を排除して体を守ろうと免疫隊が駆けつけます。
そういうマクロファージだとか、白血球、好中球と言った炎症細胞?免疫細胞?(この辺曖昧)を通すために傷の周囲の血管やリンパ管が開き、頼もしい我々の細胞たちが染み出して活動してくれます。その過程で患部は腫れ、赤くなり、熱を持ち、痛む…この状態を炎症と呼ぶようです。
痛みは免疫隊が活動中に出す物質のせいらしいです。
そういえば包丁で指を切った時、切った瞬間よりしばらくしてからのほうがズキンズキンして、指に心臓が出来たみたいになりますよね。経験はありませんが骨折した時もその日の晩になって腫れてきたとかいいますし、ボクサーは試合直後より翌日の方が顔が腫れてくるとも。なんでー?って思ってたけどこの話聞いて納得しました。駆けつけてるんですねえ(笑)
話を戻します。この免疫及び炎症に≪ステロイド剤≫が非常によく効くのです
強力な抗炎症作用と免疫抑制作用---それがステロイド剤が医療現場でよく使われる所以です。
あれれ?自己防衛活動を阻止していいのかしら?…ってよくないけど仕方ないんですね。
病気の症状は炎症という形で現われることが多いものです。
もちろん炎症の原因を取り除ける場合はそれを優先します。でもリウマチのように原因不明な場合とか、原因はわかってるけど取り除けない花粉症だとか、原因はともかくなっちゃった症状は早く対処しないと改善しない難聴とか(浜崎あゆみさんの例がありますね)、とにかく早急に気道の炎症を抑えて呼吸を確保しなければならない喘息だとか。そういった場面で威力を発揮するのがステロイドであり、さらに他に代わる薬、方法がないという現実があります。
その上ステロイドホルモンの受容体は全身にあるので体中の色んな部位に有効で、それで病気の種類も体の部位もさまざまなのに“なんでもかんでも(というと語弊がありますが)ステロイド”みたいになると。
でも感染症の場合は免疫作用が衰えるのでステロイドを使うと逆効果になる場面も。
ステロイドを使うのは使わなければならない場面だと考えるべきでしょう。逆にそうじゃない時に使うことは、絶対にあってはならないのです。

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ステロイド剤の正体

 

いったいステロイド剤って何者なんでしょう?
ステロイド剤について主治医と話をするといつも微妙な感じになってしまいます。あてにする気持ちと副作用を恐れる気持ちが双方にあり、先生も患者が副作用を心配していることを知っているし、患者は怖いとほざきながら素早い効果を期待するという我儘な生き物で、医師が先回りすることもあれば、何の説明もなく私だけ勝手に一喜一憂していたり、微妙な温度差を含みつつ互いに腹を探ってる感じです。ステロイド剤と副作用。なんとなく漠然とコワイと思ってる人は多いと思います。

◆我々がステロイドと呼んでいるものは元々は、人間の副腎という臓器の皮質という部分から分泌される≪副腎皮質ステロイドホルモン≫のことです。ヒトが自分で作ってるホルモンなんです。
他のホルモン同様微量で様々な体の機能を維持する働きをしています。実はこのホルモンに強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があり、医薬品として使用されるステロイド剤はこの力を利用するために人工的に合成され(化学薬品はみなそうですが)その効果を強めたものなのです。その意味で、薬剤の時はステロイド剤、成分の時はステロイド、体内の天然のステロイドはステロイドホルモンとここでは使い分けています。
一般的に広く使われるようになったのは1960年ぐらいでしょうか。

◆1990年代のはじめ頃、長期に渉ってステロイド外用薬を使用し続けたアトピー患者の身に起こった『ステロイド薬害』が大きく報道されました。
ステロイド薬害の詳細はぐぐっていただければいくらでも探せるのでここでは省略しますが、これは薬害エイズや薬害肝炎とは全く違うものです。後者は有効な薬がウィルスに汚染されていた薬害であり、前者は有効だと使用されてきた薬そのものが害だったという問題でした。
それは医師の治療方針の根幹を揺るがすのみならず処方してきた責任も問われるので、あれは薬害ではない、ステロイドそのものは無害だと薬害を認めない姿勢で患者達と争ったのでした。
その報道の中で、ステロイドの副作用、依存性、リバウンドと言った用語が定着し、そのすさまじい症状の一端が紹介されることもあり、世間に「ステロイド怖い」が浸透して行きました。
◆子供の頃私と兄は湿疹持ちでしたが(当時はアトピーとか言ってなかった)、母(ペーパー薬剤師)や叔母(医者)は当時から、湿疹にステロイドを塗っても根本的に治らない、一旦治っても今度はもっと酷くなる、ステロイドの副作用の治療にステロイドを使うことになる、みたいな認識を持っていました。
薬害が大きく報じられる前から関係者の間では常識だったのではないでしょうか。
個人的な見解としては、「ステロイドは炎症、免疫を抑えるもので、それ以上でもそれ以下でもない」と思っています。「治る」ことと「抑える」ことは別の話なのです。
アトピー問題でステロイドが正しく使われたか、アトピーがステロイドで治るか、という皮膚科学会が未だ非を認めない論争については、とりあえず門外漢なのでこの辺にしときます。

ステロイド剤の副作用は乱暴に言うと、人体が元々持ってるホルモンを余分に投与することの弊害だと思います(乱暴すぎ?)。抗炎症・免疫抑制以外の仕事も勝手にするし、ホルモンバランスを乱すのです。免疫抑制の影響も出ます。慢性疾患に使用する際には相当正しい知識を用い、適切に経過を管理し、患者自身もよく理解して治療を受ける必要があります
アトピー患者の薬害の場合は明らかに使い方を誤っていました。個人的には副作用は許容範囲であればいいのではないかと考えます。その許容範囲は患者自身が決めることです。効果と副作用の天秤は患者1人1人の中にあるのです。使わなければならない物なら、副作用の成り立ちや性格をよく理解し、感情的にならず上手く利用して行きたいものですね。
私がイメージするステロイド剤の正体は、「どうにも耐えがたい病気の辛さを緩和して、希望と安息を与える代わりに、ヒトの体の健康なところにまで悪さをする甘美な悪魔」ってところでしょうか。
白紙の原稿用紙を前にして何度も救われました。
悪魔と恋をする漫画を描いた桜ですから、こんな喩えでゴメンナサイ(笑)
悪魔というと別人格みたいですが、本来は人間の持つ弱くて身勝手な部分の裏返しなのです。
悪魔は罪を餌にします。
例えば、病気の自己管理を怠り薬任せにしようとしたり、疾患を抱える自分の体を忘れて欲をかいて何かを手に入れようとしたり、また使う側の医師の欺瞞や怠慢、不作為の罪(最近流行りのw)とか、
そういったヒトの弱さや甘え、欲望に取り憑くのです。
ステロイド剤はわりと人のいい悪魔です。痛みを抑えたい、楽になりたい、そんな小市民的なささやかな願いや、日々考えながら誠実に取り組んでる医師に深刻な副作用は与えないはずです。逆に、ステロイド薬害のようなケースは、可愛い悪魔も肥え太るほどの栄養タップリな?罪があったのではないかしら???
モノカキの妄想ととってくださって結構です。ファンタジーでもいいです。自分なりのステロイド剤に対するスタンスです。悪魔に支配されないように、味方につけたいものです。
ステロイドの具体的な副作用については「ステロイドU」へ。


美形のステロイド(笑)

参考サイト:
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~byouri2/text/inflammation/inflammation.htm
http://www.atopymanual.com/steroid/