Aeorian Church of Heortland(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。ヒョルトランドというロケーションと、多神教的ともいえる柔軟な世界観は、現行のRQ世界ではもっともプレイしやすい教会かもしれません。本来ヒョルトランドでは神である存在を聖人として崇拝している彼らですが、ヨーロッパでも聖人崇拝が土着宗教との混合崇拝のようなかたちで崇拝されていること、そうした聖人への崇拝がキリスト教の一部というよりも(礼拝形態はともかくとして感覚的には)独立した宗教的に崇拝されていることを考えると、以外とお互いに違和感無く礼拝しているのかもしれません。
Arrolian Lunar Church(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。この文章からは分かりにくいかもしれませんが、この教派、簡単に言うと赤の女神は信仰しても、赤の皇帝には敬意を払わない、ということです。言い換えれば月信仰の理念的部分だけを継承し、ルナー帝国に見られるような世俗的部分は拒絶している、ということです。こういうと理想主義的で非常に好印象を受けますが、いいかえれば原理主義的ということ。現実世界を考えても、それが必ずしも帝国主義のカウンターカルチャーというわけではない、とはいえそうです。こういった主義の教派が過激な行為に走るというのは決して考えられないことではありません。
Galvosti: The Church of Nomia(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。ちょっと説明不足でわかりにくいですが、厳密にはフレストル派の流れを汲んでいます。人数はかなり少なそうです。どうもこの教派はかなりセクシャルな性格が強いのかもしれません。Tradetalk誌では、Michel O'brien氏がちょっとかわったこの教派の女魔術師を紹介しています。ま、女性がトップにいたり、アーカットの手をぶら下げていたりと、古い密儀宗教っぽいともいえます。ラリオスにはフレストル派系のこの教会、ロカール派、各種暗黒異端派とヴァリエーションに富んでおり、かなりおもしろそうです。余談ですが若い女性が生まれに関係なく魔道士となるのは結構難しいのですが、ここなら可能です。ちなみにこのホームページのイメージキャラクター(笑)アルティナちゃんはこの教会の所属です。誰か絵を描いてください(笑)。[1999.10.31]
訳注:
(1)聖カルパティアは、sandy Petersen氏のの聖人ではフレストルの友で、彼をかばって死んだとされ、ここの挙げられている聖カルパッテイアとは時代が異なっています。もっともノミア教会の者ならそりゃ転生したんだ、というかもしれませんが。
Arkati: The Henotheist Church of Azilos (
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.) の翻訳です。アジロスといえば昔、ロールプレイングマガジンに「聖堂の一夜」という日本製のシナリオがあり、その中の背景情報としてアジロス伯の娘が出てきたような記憶が・・・。オトコリオンの単神教教会との違いがいまいち判然としませんが、オトコリオンの単神教会は神性系のカルトっぽい構造、アジロスの方は純然たる魔道教会的構造を持つのではないでしょうか。根拠はありませんが、オーランスを聖人とか言っているあたり、そうではないかと思います。政治組織との癒着度も強く、教会の大きさも手ごろでシナリオ内での利用価値は高そうです。[1999.09.16]
訳注:
(1)教会の指導者を選ぶ質疑と謎掛けの試合ですが、この謎掛けと啓発の関係はいまいち不明。西方に関する記述にはしばしば enlightenment (「啓蒙」と翻訳しています)という単語が現れますが、この語と啓発の関係も不明です。
Henotheist Church of Otokorion(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。教派の組織構成などはNikk氏の
フルライトアップを参照してください。重要なことは彼らがオーランスと見えざる神(あるいは創造主)をきっちりと分けて任しいしている点です。この点はエイオル派と大きく異なっています。マルキオン教的な世界観(死生観や来世観等)の上でオーランス文化を取り入れていると考えられます。この点神道的(あるいは純日本的)世界観の中に仏教やキリスト教を取り込み信仰する日本人の宗教的なメンタリティーに似ているかも知れません。、[2000.06.08]
Hrestli New Idealist Church(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。フレストル派教会です。4つのカーストを上昇する事で人間としての完成を目指し、女性はその特性が異なるものの男性と同格の存在であり、さらに《切開》を禁止するという、まさに完成形という言葉がふさわしい教義を有していると感じられます。ですがよく見ると他の教派や非マルキオン教徒、非人間種族に対する蔑視はかなりきついものがあり、その選民思想的スタンスが感じられ無くもありません。冒険者として使うとなると戦士階級ということになるのでしょうか?魔術師階級となるとやや年齢が高くなりすぎそうです。あるいは魔術師になり立てぐらいかもしれません。敵として出すとすれば魔術騎士タイプになると思われます。彼らは強力ですので気を付けなくてはなりません。ましてやロスカルムの軍勢を敵に回すなど考えたくもありませんね。彼らは間違いなく西方最強の軍隊です。[1999.10.31]
Lunar Way(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。他の教派と異なり(厳密にいうとマルキオン教徒ではないので当然ですが)、戒律や教義というものが描かれていません。魔道自体は使用できるものの、月の周期の影響を受ける上、一般的な聖人からの祝福が受けられないのでかなり毛色の変わった魔道士となるでしょう。むしろルナーのカルトに加わりつつ魔道を用いる、というなケースの方がありそうです。[2000.05.23]
Seshnelan Chivalry(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。ま、正直なところ好きにしてくれ、という感じです。いわゆるちょっと行き過ぎた騎士像、という所でしょう。ドン・キホーテを想像させます。細かく書かれてはいませんが、騎士となるのは相当大変そうです。必然として各カースト間の差異は余り強烈なものではなく、制限や差別意識といった意識的な断裂はあまり無いと考えられます。そうでないと騎士候補者が他のカーストの技を学ぶことができないからです。そういった意味では結構まともな教派なのかもしれません。騎士はたしかに相当強力そうですが、なんかジジイばかりみたいでちょっとイヤ(笑)。いやこれは私の個人的イメージなので、若いのもいると思うけどね。[1999.10.31]
Perfecti(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。フレストル派からは"純粋なるものたち"とも呼ばれている(これは自称かもしれませんが)、ロスカルム内のフレストル派異端です。フレストル派のように一段一段階級を上昇するのではなく、また古セシュネラ騎士道のようにすべての技を修めるのでもなく、瞑想と内的探求で完成に至ることをめざす教派です。まあこれを達成した者はやはり少ないようです。"Perfecti"という教派名は厳密に言うと"完全なる者"という意味のラテン語だと思われます。ここでは"完全派"という訳語をつけましたが、"完全なる者たち"のほうがよいかも知れません。[1999.11.05]
フルライトアップは David Hall with Nick Brooke, Michael O'brien, Paul Reily and Greg Stafford.
The Holy Church of Rokarism. (
Tales of the Reaching Moon #13, pp.16-19.) 、
ショートフォームはNick Brooke & David Hall.
The Holy Church of Rokarism.(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)
の翻訳です。長年トップの座に居座り続ける総大司教、異端審問とそれを専門とする騎士団、農民階級に対する搾取、女性蔑視と、なんかもうこれでもかっていうくらい、悪しき保守教会のイメージですな。はっきりいってシナリオネタには事欠きません。無理やり尼僧院に入れられた村娘を恋人の依頼で救出に行くとか、異端審問の対象となった依頼人と決死の脱出を図るとか・・・。異端審問官となって異端者どもを摘発するなんてのもできますね。でも拷問はほどほどにしておきましょう。さてロカール派では建前上カースト間の移動が禁止されているので、異端審問官は戦士階級のフォワードに魔道師のバックアップという形になります。状況にもよりますが、これはかなり手ごわい相手になるのではないでしょうか。まあ、ラリオスあたりならば勢力的にもまだまだですので、何とかなりそうですが。それからカーストと呪文に関する記述は第3版対応なので、サンディ・ピーターセンの魔道ルールで直接使用することはできません。[1999.10.30
]
Sedalpi: The Orthodox Church of Nikosdros(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。遥か南方の大陸、パマールテラで見えざる神の信仰を守るものたちです。そういうわけで専用のシナリオを組まないことには使用することは難しいかもしれません。彼らは他人に死を与えることを極端におそれており、同時に人間至上主義者でもあります。南方では人間は肩身の狭い思いをしてきたらしく、それがこういう信仰を生み出したのかもしれません。騎士階級は名誉ある不可触賤民ともいうべき扱いを受けており、ある意味PCに最適の職業かも知れません(なんせ普通の職にはつけないでしょうから)。このエキゾチックで面白そうな教派を使えるシナリオをどなたか考えてください。[2000.08.04]
Syanoran Church(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。下のサイアノール・ルナー派は主流であるサイアノール派の霊的権威を認めているにもかかわらず、サイアノール派の方はサイアノール・ルナー派を認めていないと、両者の関係はある意味ルナーとその他勢力の典型的な関係にあります。カースト間の移動も許されず、さらにガチガチの結婚観を持つという、なかなかプレイしにくい教派です。一応他の異教との複合的宗教ですが、蛮族社会のような厳密なカルトではないようです。精霊を扱うことは可能なようですから、ひょっとすると精霊カルトのような扱いでオーランス系の神々(彼らに言わせれば精霊)を扱うのかもしれません。[2000.04.08]
Syanoran Lunar Church(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。厳密にいえばサイアノール派とサイアノールルナー派は同じ教派のようです。ルナー派の方が主流派の霊的権威を認めているようですし、そもそも教義が自由なので、ちょっと位の差異ならオッケー、ということになるのかもしれません。以前サイアノール派は暗黒異端派かという問題もありました。このあたり暗黒異端派の定義の問題があってさまざまな解釈が可能ですが、一般的な暗黒異端派の定義(アーカットの流れか否か)からすれば、違うということになりますね。詳細は
翻訳注意報を参照してください。個人的には東からの異教の信仰とマルキオン教の信仰がこの地で融合、というのに一票入れたいと思いますが。[1999.11.17]
Valkaros Wizard Church(
Nick Brooke & David Hall, Splintered Sects, 1998.)の翻訳です。西方に位置していないこの教派に関しては後回しにし様と思ってたんですが、本館の方で話題になってたので上げてみました。ジルステラ=神智者の生き残りかと思ってたんですが、ウェアタグ人と仲良さそうなところを見ると、それ以前のどこかの教派の司祭が流れついた様ですね。ヴァルカローとガルヴォストを友と呼んでいますが、それが事実ならヴァルカローの漂着は600年ごろということになります。実際にはゲーム上での運用は難しいかもしれません。将来東方諸島のデ−タが公開された暁には、役に立つかもしれません。Sandy Petersenの魔道ルールによるならば、彼らは自分たちの魔道に加え、東方独自の魔道も使用することができます。[1999.10.31]
The Cult of Great Arkat(
Nikk Effingham, Arkati Sects , 1997.)
の翻訳です。今一つ正体のはっきりしない教派ですが、どうやらフリーメイソンをイメージしていただければ良いようです(魔術結社の方ではなく、もとのほう)。いわば19世紀的なサークル、結社を想像させます。"秘密"結社であるかどうかは意見の分かれるところですが、こういったものはその構成員の人間的な性格に左右されますので、一部魔術結社、一部貴族の秘密サークル、一部互助組織なんてのも考えられます。アーカットらしく余所から獲得している神性呪文もなかなかなので、敵役(なんといっても複数のカルトにまたがる結社ですから)としても使い勝手がよさそうです(これはアーカット派の多くに当てはまります)。ただしプレイヤーの中にアーカットのファンがいると突然寝返るかもしれませんから、気をつけましょう。[2000.01.07]
The Cult of Arkat Chaosbane(
Nikk Effingham, Arkati Sects , 1997.)
の翻訳です。アーカット諸派の中では一見まともそうにも見えますが、やっぱりちょっとまともじゃありません。ちょっとPCにも勧められないね。いわばアーカットの宗教的な寛容さ(というよりも無節操さ)を体現するカルトであり、(トロウルを含めた)あらゆるカルトへの参加を許容しています(というよりも許容するために存在しています)。文中を見ても存在が容認されているようですので、一応プレイ可ってことなんでしょうか?極めれば結構強そうですが・・・。[1999.12.31]
訳注:
(1)コバクルーン派というのは詳細不明。聞いてきます。
(2)ルーン・ロードのダブル・クラスなどは時間的に不可能なので、おそらくその領域に達するまでに啓発されなくてはならないでしょう。
The Cult of Arkat Peacemaker(
Nikk Effingham, Arkati Sects , 1997.)
の翻訳です。アーカットの諸教派は変わったものが多いですが、このカルトも負けず劣らず変わっています。ある種互助組織、あるいはボランティア団体のような一面を持っているようですが、そのくせ兵を養っているというのはこの教派もやはりアーカットの一教派であると感じさせます。神性呪文の獲得も厳しく、司祭位もはっきりしない、プレイするにはなかなか大変な教派です。貴族の奥様なんかが参加して救済事業とかやってるんでしょうね、やっぱり。[2000.03.15]
The New Stygian Church of Naskorion (
Trade
Talk #3, pp.30.)
の翻訳です。おそらくは唯一「暗黒異端派」を自称する教派ではないかと思います。トロウルに広まっているあたりから考えても、アーカット信仰の最終形態(アーカットの流転の人生を考えてもね)といえそうです。サンディ・ピーターセンの魔道ルールでいう暗黒異端派はこれ(ないしこれに近いもの)でしょう。ただ実際の教会の形態が神性系のカルトっぽいのか、それとも純然たる魔道教会なのかは不明(笑)。実際のゲーム内での運用は難しいかもしれません。フェルスター湖周辺で暗黒異端派間の主導権争い、みたいなシナリオをするならば、よい素材になるかも。[1999.10.31]
訳注:
(1)アーカットの暗黒帝国の公教を「暗黒異端派(stygian)」としているのは、この記事が最初だと思います。
(2)GBでは、アーカットがタニソールの吸血王を倒したのは、ガーランドの臣下になってからです。
(3)最後に出てくる"名誉の戦士"フーマスって? さてどんな神でしょう(笑)
The Henotheist Church of Otkorion (
Nikk Effingham, The Storm over Ralios , 1998.)
の翻訳です。文中にあるとおり、オトコリオンの住民の大多数がこの教会の信徒ということになります。多くの他のオーランス系カルトに入信することができますが、基本的には二重入信者ということになります。公的には認められない異教の神として扱われるエルマルやバービスター・ゴアの信徒も神学的には農夫階級ながら教会の一員として扱われます。厳密に見て彼らの敵は混沌と異端だけということになります。教会の権威が行きとどいているオトコリオン国内では異端審問も行われているようです。[1999.12.15]
Cult of St. Urox(
Nikk Effingham, The Storm over Ralios , 1998.)の翻訳。カルト的にはプラックス、ラリオスのストーム・ブルと大きな違いはありません。しかしながら文中にもあるように彼らはあくまで騎士なので、その点イメージの違いがあります。カルト内には囚人も多いので、むしろ囚人部隊的な雰囲気を持っているのかもしれません。文中には述べられていませんが、彼らの大部分はオトコリオンの教会との二重入信者であり、魔道呪文も(戦士階級として)獲得しています。逆に(これはオトコリオン教会の中で述べらていますが)、オーランスと同様の精霊呪文に関する制限を受けていると思われます。[1999.09.15]
Cult of St. Lhankor Mhy(
Nikk Effingham, The Storm over Ralios , 1998.)の翻訳。ウロックスとは異なりプラックス、ラリオスのランカー・マイとは結構違っています。位階のシステムは大きくは違いませんが、神性呪文も大きく異なっていますし(個人的には《翻訳》が無くなるのは痛恨だと思いますが)、何より加護と制約が加えられています。フマクトとイェルマリオに加護と制約があることは日本語版にも現れていますし、英語版をご存知の方はサナターにもあることをご存知かと思います。この3つのカルトの共通点は「真実」ルーンを持っていること。それゆえランカー・マイにも加護と制約が搭載されたようです。個人的にこれは賛成です。内容を見てみるとオトコリオンではかなり有力なカルトの様です。
Cult of St. Humakt(
Nikk Effingham, The Storm over Ralios , 1998.)の翻訳。基本的な部分は『ゆりかご川』準拠ですが、結構マイナーアレンジが施されているという感じでしょうか。加護と制約も違うものがいくつか含まれています。もっとも違う点は家門でしょう。彼のHPにはそれぞれの家門の描写があります。将来的には翻訳したいのですが・・・。文中記述のあるToTRM版はかつてRPGマガジンで翻訳されましたが、どちらも現在入手困難です。ただし村瀬さんのHPにToTRM版の翻訳がありますのでそちらを参照してください。[2000.03.01]
訳注:
(1)マクラマンが提供している呪文が書かれていません。一応ToTRM版通り《剛刃》を提供するとしておいてください。著者に確認してみます。
Cult of Elmal(
Nikk Effingham, Nikk氏のホームページ, 1998.)の翻訳です。実は村瀬さんのホームページにRIZE氏が翻訳したものがあるんですね。それに気付かずだいぶ訳しちゃったので完成させてアップすることにしました。そういうわけでRIZE師の翻訳を参考にさせていただいている部分もあります。あと"Stead"、"Housecarl"とそれに類する語はあえてカタカナのままにしてあります。これは『グローランサ』所収のプレイヤーズ・ブックにその訳があるためです。ちなみに「エルマル信徒」はエルマリではではなくエルマリオン(らしい)。