労働基準監督署の是正勧告を対策しましょう!
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●是正勧告の対処法
Q是正勧告書の内容とは?
A.
違反する根拠条文、違反事項、是正期日を
指定した書面が会社に交付されます。
労働基準監督署の臨検で法違反が発覚すると、どの部分が法律に違反するのかを
「是正勧告書」
という書面で渡されます。是正勧告書の典型的な例をいくつかピックアップすると、下のようなものになります。
●是正勧告書(例)
法条項等
違反事項
是正期日
労働基準法
第32条
時間外労働の締結及び届出なく、時間外労働を行わせていること。
即時
同法
第37条
9月15日までの時間外労働に対し、2割5分以上の率で計算した時間外労働割増賃金を支払っていないこと。
(上記割増賃金の不足額については、平成17年12月16日に遡及して支払うこと)
18・10・25
同法
第89条
常時10人以上の労働者を使用しているにもかかわらず、就業規則の作成・届出をしていないこと。
18・10・25
同法
第89条
労働契約の締結に際し、労働条件を書面で交付していないこと。
今後
労働安全衛生法
第12条
常時50人以上の労働者を使用するのに衛生管理者を選任していないこと。
18・10・25
同法
第66条
労働者に対し、6月以内ごとに一回、定期健康診断を行っていないこと。
18・10・25
以上のように是正勧告書には
「根拠となる法条項」「違反事項」
が列挙され、その上で
「是正期日」
が
「平成○年×月×日」
と示されます。
この是正勧告書の交付によって、
会社は法律違反についての
「是正」
と
「報告」
が義務づけられるわけです。指摘された是正箇所に不服がある場合は弁解することもできますが、確かな根拠がないかぎり認められないため、結局は是正勧告書にそって是正を行うことになります。
是正勧告の中でも、
サービス残業の問題
で是正勧告を受けた場合が、最も対処に困るところです。未払いの残業代の支払いはもちろん、今後どのようにして残業代を管理していくか早急に対策が必要だからです。
まず未払い残業の支払いについては、原則として是正勧告書に書かれた期日にさかのぼって支払わなければなりません。
社員が未払いの賃金をもらう権利は、法律で時効が2年間と定められているので、最大2年間の支払いを求められることもあります。
この未払い金の遡及期間は、是正勧告の調査のときに決まります。監督官がその会社の経営状態などから判断して、時効ぎりぎりの2年と決める場合もあるし、半年あるいは3カ月と決める場合もあります。
通常は「○年×月×日に遡及して支払うこと」と遡及しなければならない期日が指定されますので、それに従って過去にさかのぼって未払いの残業代を計算し、支払うようにします。
会社によっては多少でも支払額を調整することができる場合があるので、気になる方はご相談ください。
また深刻なのは、
それまで支払っていなかった残業代を今後は正確に計算して支払わなければならないことです。
この新しく出てきた残業代をどう抽出していくか・・・支払う余裕がなければ、あくまでも合法的に残業代を減らす手段をさぐっていかなければなりません。
残業代を減らすためには社員の協力も得なければなりませんが、残業代のために会社経営があやぶまれるような状況においやられるのなら、会社と社員が一丸となって残業について取り組むべきです。
幸い合法的な手段で、残業を削減する方法がないわけではありません。たとえば変形労働時間制を導入したり、残業代の一部を固定型として給料に含めてしまうのもその方法の一つです。これらについては、法律を知っている人だけが「得」をするという性質のものなので、検討してみるのもいいと思います。ただし、これらを導入するためには、法律上の知識が必要です。独自の判断で行うのではなく、残業対策を専門としている専門家に依頼することをおすすめします。
情報提供:是正勧告対応室、社会保険労務士むさしの事務所
(全国社会保険労務士会連合会、東京都社会保険労務士会会員)
東京都渋谷区渋谷3−6−2エクラート渋谷ビル8階 TEL03-5766-4064